コリトサウルスとは
| 学名(属名) | Corythosaurus |
| 名前の意味 |
ヘルメット(兜)トカゲ
korys(コリント人のヘルメット)[ギリシャ語]-saurus(トカゲ)[ギリシャ語] |
| 分類 | 鳥盤目・鳥脚類 (鳥脚亜目・ハドロサウルス科) |
| 全長 | 約8-9m |
| 食性 | 植物食 |
| 生息時期 | 白亜紀後期(約7700万年-7650万年前) |
| 下分類・種名 | Corythosaurus casuarius |
| 論文記載年 | 1914 |
| 属名の記載論文 |
Corythosaurus casuarius, a New Crested Dinosaur from the Belly River Cretaceous, with Provisional Classification of the Family Trachodontidae.
American Museum of Natural History Bulletin. 33. by Barnum Brown. 1914. |
特徴
コリトサウルス 最大の特徴は、頭頂部のふくらみ-空洞です。
白亜紀後期(約7700万年-7650万年前)に生息していました。
20頭分以上の頭部化石が発掘されています。
頭頂部のふくらみは、幼いころには発達しておらず 成長するに従って大きく膨らんできたようです。
ふくらみの内部には鼻につながる管が延びており、鳴き声を出すのに役立ったと考えられています。1994年には鼻腔の詳細な調査が行われ、400Hz未満となるトロンボーンのような低音を発していたらしいこともわかりました。
ヘルメットのような形状的な特異性は、異性を惹(ひ)きつけたり、視覚的に仲間を区別するのにも使われたかも知れません。形状は雄と雌で異なっていた可能性もあります。
口には600本以上の歯が並んでおり、硬い植物を磨り潰して食べていました。針葉樹、種子、小枝が腹部に残った化石も見つかっています。
発見と論文への記載
出典:Corythosaurus casuarius, a New Crested Dinosaur from the Belly River Cretaceous, with Provisional Classification of the Family Trachodontidae.
American Museum of Natural History Bulletin. 33.
by Barnum Brown. 1914.
コリトサウルスが初めて見つかったのは、1911年 カナダ・アルバータ州のRed Deer Riverでした。この時に発見された標本番号AMNH 5240は、ほぼ完全な骨格と一部の皮膚の印象も残されていました。肩甲骨や頬骨も、生きていたころについていたであろう位置のまま保存されていたことは特筆に値します。
1914年、アメリカの化石ハンターだったバーナム・ブラウンBarnum Brownによって"コリトサウルス"が記載されました。
バーナム・ブラウンBarnum Brownはアメリカ自然史博物館の職員として、化石の他 さまざまなものを収集したそうです。また、1902年 モンタナ州南東部のHell Creek Formationでティラノサウルス・レックスの化石を発見・発掘したり、1910年 カナダのDry Island Buffalo Jump Provincial Parkではアルバートサウルスの後足を発見している化石ハンターです。
“恐竜ミイラ”が語る生前の姿
1911年に発見された最初のコリトサウルスの化石(標本番号AMNH 5240)は、骨格だけでなく広範囲にわたって皮膚の印象が残っていたため、「恐竜ミイラ」とも呼ばれる非常に貴重な標本です。
この皮膚の化石から、コリトサウルスの体はヘビやトカゲのような重なり合ったウロコではなく、大小さまざまな多角形のイボ状のウロコ(tubercles)でモザイクのようにびっしりと覆われていたことがわかりました。特に腹部には大きなウロコが集まっていました。残念ながら皮膚の色まではわかっていませんが、その質感を知ることができる重要な手がかりです。
さらに、この標本の腹部からは、彼が死ぬ直前に食べたものが化石として残っていました。その内容物は、当時生い茂っていた針葉樹の小枝や葉、種子、果実などで、コリトサウルスが多様な植物を食べていたことを示しています。
コリトサウルスに会いに行こう
コリトサウルス(Corythosaurus)の化石は、以下の博物館で見ることができます。
ただし、展示内容が変更となっている可能性がございます。ご自身で、最新情報の確認をお願いいたします。
福井県立恐竜博物館(福井県・勝山市)
見られる化石の部位: 全身復元骨格(レプリカ)
見どころ/注目ポイント:「恐竜の世界」ゾーンの鳥脚類コーナーにて展示されています。同じハドロサウルス科の仲間(エドモントサウルスやサウロロフスなど)が近くに展示されているため、コリトサウルス最大の特徴である半円形のトサカの形状や、骨格の違いを比較しながら観察することができます。
岡山理科大学 恐竜学博物館(岡山県・岡山市)
見られる化石の部位: 全身骨格(実物を含む)
見どころ/注目ポイント:2022年、所蔵していた全身骨格が詳細な研究により「コリトサウルス」であると判明したことで大きな話題となりました。頭部のトサカの骨などが確認された貴重な標本であり、大学のキャンパス内にある博物館で、研究の最前線にある標本を間近に見ることができます。
アメリカ自然史博物館(アメリカ・ニューヨーク)
見られる化石の部位: 実物化石(ミイラ状標本)・全身骨格
見どころ/注目ポイント:恐竜展示ホールに、世界で最も保存状態が良いとされるコリトサウルスの実物化石が展示されています。この標本は骨格だけでなく、皮膚の痕跡が広範囲に残っており、生きていた時の姿をそのまま閉じ込めたような圧倒的な存在感を放っています。教科書にも載るほど有名な、必見の展示です。
ロイヤル・ティレル古生物学博物館(カナダ・アルバータ州)
見られる化石の部位: 実物化石・頭骨・全身復元骨格
見どころ/注目ポイント:コリトサウルスの主要な産出地であるアルバータ州の博物館です。多くの実物標本を所蔵しており、個体によってトサカの形が微妙に異なる様子や、成長過程での変化など、現地ならではの豊富なコレクションに基づいた詳細な展示を見ることができます。
コリトサウルスは、その特徴的なトサカから人気が高く、日本の主要な博物館でも全身骨格を見ることができます。特にアメリカ自然史博物館にある標本は、皮膚の質感まで観察できる世界的な宝であり、機会があればぜひ実物を見ていただきたい一品です。
コリトサウルスの切手・化石ギャラリー