恐竜の皮膚
お勉強 / 恐竜のしっぽ
ウロコと羽毛
恐竜の皮膚の印象(跡)化石も多く発見されています。
恐竜の皮膚のタイプは2つあります。
ひとつは、ウロコで覆われているものです。
蛇や魚のように重なり合うウロコではなく、オオトカゲのような大小さまざまな隆起のある皮膚です。
もうひとつは、羽毛をもつ皮膚で覆われているものです。
多くは中国の白亜紀の地層から見つかっています。
羽毛の痕跡のある恐竜は小型〜中型の獣脚類がほとんどですが、周飾頭類−角竜プシッタコサウルスの尾にも羽毛の跡が見つかっており、
恐竜の幅広い属・種で羽毛をまとっていたのかも知れません。
また、ヨーロッパではジュラ紀前期の地層から羽毛の跡が見つかっています。もっと早い時期に、羽毛恐竜のいた可能性もあります。
皮膚の色や模様
恐竜の皮膚の色や模様は分かっていません。映画や図鑑などで見る色や模様は、想像のものです。
多くの恐竜の図鑑や解説書には、そのように書かれています。
2010年、驚きのニュースが入ってきました。
シノサウロプテリクス(中華竜鳥)の羽毛部分を走査型電子顕微鏡で詳細に観察したところ、 メラニン色素を含む細胞内小器官が見つかったのです。
細胞内小器官の解析によって、シノサウロプテリクスは 背中から尾にかけて赤を帯びたオレンジ色の羽毛 を持っていたことが明らかになりました。
2016年には保存状態の良い化石を分析した結果、角竜-プシッタコサウルスの体色は腹側が薄い茶色で背中側が濃い茶色だったと推定されました。
多くの恐竜の皮膚の色は分かっていません。化石からそれを読み取るのは、非常に難しいことです。
しかし今後、更なる解析技術の進歩と状態の良い化石の発見で、恐竜の色や模様が分かっていくかも知れません。