オビラプトル(オヴィラプトル)
Oviraptor
図鑑 / 恐竜のしっぽ
図鑑 / 恐竜のしっぽ
オビラプトル(オヴィラプトル)とは
学名(属名) | Oviraptor |
名前の意味 | 卵どろぼう ovi(卵)[ラテン語]-raptor(泥棒)[ラテン語] |
分類 | 竜盤目・獣脚類(獣脚亜目・テタヌラ類) |
全長 | 約2m |
食性 | 雑食 |
生息時期 | 白亜紀後期(約7500万年前) |
下分類・種名 | Oviraptor philoceratops |
論文記載年 | 1924 |
属名の記載論文 | Three new Theropoda, Protoceratops zone, central Mongolia. American Museum Novitates, 144. by Henry Fairfield Osborn. 1924. |
特徴
オビラプトル(オヴィラプトル)の特徴は、頭上の円形の骨質トサカと歯の無いクチバシです。
硬いクチバシは卵を割るのに適していましたが、普段は木の実や小動物を食べる雑食性の恐竜だったと考えられています。
復元図には、羽毛が描かれることもあります。前足で卵を温めている状態で見つかった化石も残っています。
汚名
オビラプトル(オヴィラプトル)の属名"卵どろぼう"の由来には、大きな誤解があります。
1920年代、アメリカ自然史博物館によるモンゴルの発掘調査中に、体長約2mの新種獣脚類が発見されました。 周飾頭類プロトケラトプスとその卵が並ぶ巣と一緒に見つかったのが誤解の元となります。 プロトケラトプスの巣のそばで発掘された新種の獣脚類は、プロトケラトプスの卵を狙っているように考えられたため、 1924年"卵どろぼう"の意味=オビラプトル(オヴィラプトル)と命名されてしまいました。
ところが、1993年、それまでプロトケラトプスのものと思われた卵の中にオビラプトル(オヴィラプトル)自身の子が入っていたことがわかったのです。
オビラプトル(オヴィラプトル)は他者の卵を狙っていたのではなく、抱卵を行っており、その化石もおそらく抱卵していた個体が巣ごと化石になったと考えられています。
また1995年にはオビラプトル(オヴィラプトル)と近縁の恐竜-シチパチが、前肢をひろげ抱卵した状態で見つかります。
約60年間、卵どろぼうだと思われてきたオビラプトル(オヴィラプトル)。じつは、自分の卵を温めていただけでした。
属名につけられた"どろぼう"は、えん罪(濡れ衣を着せられたこと)だったのです。