マイアサウラ
図鑑 / 恐竜のしっぽ
マイアサウラとは
学名(属名) | Maiasaura |
名前の意味 | 良い母トカゲ maia(良い母)[ギリシャ語]-saura(トカゲ)[ギリシャ語] |
分類 | 鳥盤目・鳥脚類 (鳥脚亜目・ハドロサウルス科) |
全長 | 約8 - 9m |
食性 | 植物食 |
生息時期 | 白亜紀後期 |
下分類・種名 | Maiasaura peeblesorum |
論文記載年 | 1979 |
属名の記載論文 | Nest of juveniles provides evidence of family structure among dinosaurs. Nature. 282. by John R. Horner.; Robert Makela. 1979. |
特徴
マイアサウラは初めて子育てをした可能性を示唆した恐竜で、属名の意味「良い母トカゲ」と命名されました。
白亜紀後期の北米に生息していた鳥脚類です。
直経100cm、深さ50cmほどのクレーターとなった巣の中に、20〜25個の卵が見つかっています。
マイアサウラの成体は3tを超える巨体のため親が抱卵したとは考えにくく、葉を被せてその発酵熱で温めていたと推測されています。
体長1m未満(子供)のマイアサウラの化石を調べると、歩けるほどには脚が発達していませんでした。
歩けないほど幼い個体の歯が既に摩耗していたことは、巣の中にいても硬い葉(エサ)を食べることができたことを示しています。
マイアサウラの親はアヒルのような口で葉をむしり取り、子供のためにエサを運んだのではないか、と考えられます。
(近年、孵化前(卵のなか)の赤ちゃんからも摩耗した歯が見つかっており、「幼体の歯の摩耗がエサを与えた証拠にはならない」と主張する学者もいるようです)
マイアサウラの成長
[卵の状態]から[成体]に至るまで、様々な成長段階の化石が見つかっています。成長に関する研究が盛んに行われています。
卵からかえったばかりのマイアサウラは50cmに満たない体長でしたが、生後1〜2ヶ月は巣の中で過ごし、1歳のときには体長3mを超えています。
そのころから成長速度は鈍くなり、生後7〜8年で成体(大人)となりました。
大人になったマイアサウラは8〜9mに達しました。
発見と論文記載
1979年アメリカ・モンタナ州西部のTwo Medicine Formationにおいて、標本番号PU 22405で知られる化石が発見されました。
卵化石や孵化した直後の幼体が知られ、同年ホーナー博士(John R. Horner)とロバート・マケラ( Robert R. Makela)は世界的な科学誌Natureに掲載した論文"Nest of juveniles provides evidence of family structure among dinosaurs.(恐竜の家族構成の証拠について)"の中で、マイアサウラ(Maiasaura peeblesorum)を記載します。"マイア(Maia)"とは、ギリシャ語で"良い母親"を示す言葉です。