アパトサウルス
図鑑 / 恐竜のしっぽ
アパトサウルスとは
学名(属名) | Apatosaurus |
名前の意味 | ひとを騙(だま)すトカゲ apatē(だまし)[ギリシャ語]-saurus(トカゲ)[ギリシャ語] |
分類 | 竜盤目・竜脚形類 (竜脚形亜目・竜脚下目) |
全長 | 約25m |
食性 | 植物食 |
生息時期 | ジュラ紀後期 |
下分類・種名 | Apatosaurus ajax Apatosaurus excelsus Apatosaurus louisae Apatosaurus parvus |
論文記載年 | 1877 |
属名の記載論文 | Notice of new dinosaurian reptiles from the Jurassic formation. in American Journal of Science and Arts. Marsh, Othniel Charles, 1877. |
特徴
アパトサウルスは、がっちりした太めの身体をしていました。体重は25〜30トン前後と推測される、大型竜脚類として有名な恐竜です。 森林の歯をもぎ取って食べていたと考えられています。1990年代になって、ディプロドクスに近い属(種)であることが分かりました。
"アパトサウルス(Apatosaurus)"属名の意味=騙(だま)すトカゲは、当初発見された骨が海棲爬虫類モササウルスのものと見分けがつかずに、研究者たちを困惑させたことに由来するそうです。
アパトサウルスの成長速度
骨の断面に見られる成長線(木の年輪のようなもの)を調べて、アパトサウルスの成長速度を推測した研究があります。
卵から孵ったときのアパトサウルスは全長30cmほど。
8歳〜12歳の間に急成長し、この間は1年に最大5トンずつ増加しました。急激に大きくなるのです。
15歳になるころには全長25mに達し、それ以降はあまり大きくならなかったようです。
ブロントサウルスの名前の問題
1879年 アメリカの古生物学者マーシュは、発見した竜脚形類の化石にブロントサウルス(Brontosaurus)と名付けました。
1903年 アメリカのフィールド自然史博物館が再度調査した結果、「ブロントサウルスと呼ばれた化石標本は [1877年に発掘・発表されていたアパトサウルス]と同一属である」 と結論づけています。
そのため「ブロントサウルス」の学名は消えて 先に命名されていた「アパトサウルス」に属名を統一しましたが、
統一されたことが一般に知られることは少なく、それ以降も一般書や図鑑などでは「ブロントサウルス」の名前が使い続けられました。
最近の図鑑では「ブロントサウルス」の名前は見かけなくなりましたが、年配の方には「ブロントサウルス」に馴染みのある方もいると思います。
ところが2015年、ポルトガルのヌエバ・デ・リスボン大学が「ディプロドクス科の分類・進化」に関する研究成果を発表しました。
その論文(A specimen-level phylogenetic analysis and taxonomic revision of Diplodocidae (Dinosauria, Sauropoda))の中で、
「ブロントサウルスとアパトサウルスは、それぞれが独立した属である」と結論づけました。
「かつてブロントサウルスとされた骨格は、アパトサウルスよりも華奢で、肩甲骨の一端が丸く膨張している」とし、
アパトサウルスとブラキオサウルスは属として別の種類に区別されるべきだと主張したのです。
2015年の論文が他の学者たちに受け入れられれば 112年の時間を経て「ブロントサウルス」が復活する可能性がありました。
各メディアも、大きくこの問題を取り上げたことを覚えています。
しかしさらにその後、ブロントサウルスとは「アパトサウルスの胴体にカマラサウルスの頭骨がのっていた」複数別種の混同によるものであったことが示唆されて、
またもや「ブロントサウルス」は無効名となりそうな雲行きです。