2021年の恐竜ニュース
兵庫県淡路島の新種恐竜「ヤマトサウルス」-日本の恐竜9例目
2021.04.29
兵庫県洲本市(淡路島)で2004年に発見されていた鳥盤目の化石が、新種の恐竜であることがわかりました。
約7200万年前(白亜紀後期)の地層(北阿万層)から産出した歯や頸椎、烏口骨、尾椎などの化石23点から、
当初はランベオサウルス亜科に属する恐竜として論文が公開されていました。
それから15年後 2021年、北海道大学と岡山理科大学の研究グループは 354の特徴から他のハドロサウルス科の恐竜との系統解析を行いました。
肩の骨の一部が未発達で、ランベオサウルス亜科に分化する以前の原始的なハドロサウルス科に属することがわかりました。
新種の恐竜として、「ヤマトサウルス・イザナギイ(Yamatosaurus izanagii)」と命名されました。
体長は7-8m、体重4-5tと推定しています。ハドロサウルスの起源を探るための重要な標本となりそうです。
ティラノサウルスの生息密度、生息数を推定
2021.05.21
4月16日付けで学術雑誌「サイエンス」に、ティラノサウルスの生息密度、生息数などに関する論文が掲載されました。
バークレー大学の古生物学者チャールズ・マーシャル(Charles Marshall)は、「ティラノサウルスは半径6キロ圏内に1頭の割合でいた」と考えています。
東京都の広さなら20頭がいた計算になります。
個体数を推定するのに、ダムスの法則と呼ばれる「体重が大きい生物ほど、生息密度は小さくなる」パターンを用いています。
また研究チームの計算によると、ティラノサウルスは同時に約2万頭が存在し、200-300万年の間に、のべ25億頭生息したと結論づけました。
ドラえもんの『のび太』に由来した恐竜足跡化石
2021.07.20
中国地質大学(北京)の恐竜足跡研究チームはこのほど、四川省自貢恐竜博物館は欧米の古生物学者と協力し、同省古藺県黄荊鎮で、保存状態の良い恐竜の足跡を発見したと発表しました。獣脚類エウブロンテス(Eubrontes)の新種の足跡で、漫画「ドラえもん」の主人公「野比のび太」に敬意を表してエウブロンテス・ノビタイ(Eubrontes nobitai)と名付けられました。
2020年7月、黄荊鎮金魚渓の村民が川を掃除していた際に、表面に四つの足跡がある石の板を発見し、 同年8月25日に中国地質大学と自貢恐竜博物館の古生物専門家が金魚渓を訪れ恐竜の足跡を詳しく調査したところ、 少なくとも竜脚類の歩行跡4点、獣脚類の歩行跡2点、独立した足跡4点があることを確認したとのことです。