シュノサウルス

シュノサウルス

Shunosaurus

シュノサウルスとは

学名(属名) Shunosaurus
名前の意味 蜀(しょく:地名)のトカゲ
Shu(蜀:四川省の別称)[地名]-saurus(トカゲ)[ギリシャ語]
分類 竜盤目・竜脚形類 (竜脚形亜目・竜脚下目)
全長 約9.5 - 11m
食性 植物食
生息時期 ジュラ紀中期(約1億7000万年前)
下分類・種名 Shunosaurus lii
論文記載年 1983
記載論文 Dinosaurs from the Jurassic of Sichuan.
Palaeontologica Sinica, New Series C 162.
by Dong, Z., Zhou, S. & Zhang, Y. 1983.

特徴

シュノサウルスは、ジュラ紀中期の中国で栄えた竜脚形類です。
12体以上の全身骨格や状態の良い化石が見つかっています。

シュノサウルスの切手

首は竜脚類としては比較的短いのが特徴です。そして、最大の武器は尻尾の先にありました。いくつかの尾椎が癒合してできた骨の棍棒(テールクラブ)になっており、これを振り回してヤンチュアノサウルスのような捕食者から身を守っていたと考えられています。
さらに驚くべきことに、いくつかの標本では、この棍棒の先端に、長さ5cmほどの鋭いスパイク(皮骨性のトゲ)一対が付いていたことが分かっています。これにより、シュノサウルスの尾は、打撃力と貫通力を兼ね備えた、非常に強力な武器となっていました。

状態の良い化石が多く見つかっていますが、頭骨化石はいずれも圧縮されていたり破損している状態での発掘となっています。そのため頭部の形状については、幅広く吻部の短いものから、吻部が長いものまで様々な説が唱えられています。

短い首が語る食生活

シュノサウルスは、後の時代のディプロドクスやマメンチサウルスのような、天に届くほどの長い首は持っていませんでした。その比較的短く、水平方向に動かすのに適した首の構造は、彼らの食生活を物語っています。

彼らは、木の高い場所にある葉を食べるのではなく、地上から2メートル程度の高さにある、シダ植物やソテツといった低い植物を主食とする「低位置採食者(ローブラウザー)」でした。これにより、同じ時代に生きていた、より首の長い他の竜脚類(オメイサウルスなど)と食料を奪い合うことなく、共存することが可能だったのです。

発見と論文記載

シュノサウルスの全身骨格化石
全身骨格化石(2008年撮影)

1977年、古生物学の実習で学生グループによって発掘されたのがシュノサウルス初めての標本です。
1983年、中国・脊椎動物古生物学研究所の董枝明(Dong Zhiming)たちによって、新種新属シュノサウルス(Shunosaurus lii)記載されました。属名は、発見地である中国の地名・四川の古称である"蜀(Shu)"に由来します。