ダスプレトサウルス
図鑑 / 恐竜のしっぽ
ダスプレトサウルスとは
学名(属名) | Daspletosaurus |
名前の意味 | 恐るべきトカゲ dasplētos(恐ろしい)[ギリシャ語]-saurus(トカゲ)[ギリシャ語] |
分類 | 竜盤目・獣脚類(獣脚亜目・テタヌラ類) |
全長 | 約9m |
食性 | 肉食 |
生息時期 | 白亜紀後期 |
下分類・種名 | Daspletosaurus torosus |
論文記載年 | 1970 |
属名の記載論文 | Tyrannosaurs from the Late Cretaceous of western Canada. National Museum of Natural Sciences Publications in Paleontology. 1. by Russell, Dale A. 1970. |
特徴
ダスプレトサウルスは、白亜紀後期の北アメリカに生息した大型肉食恐竜です。推定体長9m、推定体重3600kg。
カナダ・アルバータ州やアメリカ・モンタナ州で発掘されています。ティラノサウルスが出現する少し前に、同地域の食物連鎖の頂点にいました。
ダスプレトサウルスと同時期・同地域にゴルゴサウルスも生息しており、複数種の大型肉食恐竜が共存できるだけの食物(植物食恐竜)がいたことを示唆しています。
カナダの古生物学者デイル・ラッセルは、「身体が華奢で個体数の多いゴルゴサウルスはハドロサウルスなどの鳥脚類を獲物にし、
個体数の少ない重厚なダスプレトサウルスは角竜や鎧竜を食物としていたのでは」との仮説を提唱しています。
また、若い個体の頭骨化石に、他の肉食恐竜がつけたであろう噛み跡が残っているものも発見されています(標本番号:TMP 94.143.1、TMP 85.62.1)。
ダスプレトサウルスの発見と記載
1921年カナダ・アルバータ州Steveville近郊で、頭骨、前肢、骨盤、大腿骨。脛骨、椎骨を含む部分骨格化石が見つかりました。 この標本(標本番号CMN 8506)について、発見者であるチャールズ・スタンバーグ(Charles Mortram Sternberg)は当初「ゴルゴサウルスの一種」と考えていたようです。 また、「アルバートサウルスの成体である」と考える学者もいました。
アメリカの古生物学者ラッセル(Dale A. Russell)はアルバートサウルスなどと詳細に比較を行い、1970年、新属新種ダスプレトサウルス・トロスス(Daspletosaurus torosus)として記載しました。
重厚な体格、2本指をもつ小さな前肢、その似ている骨格からダスプレトサウルスはティラノサウルスと同属に考える説もありますが、支持は得られていません。