コエロフィシス
図鑑 / 恐竜のしっぽ
コエロフィシスとは
学名(属名) | Coelophysis |
名前の意味 | 骨が空洞の形 koilos(空洞の)[ギリシャ語]-physis(形状)[ギリシャ語] |
分類 | 竜盤目・獣脚類 (獣脚亜目・ケラトサウルス下目) |
全長 | 約2.5m |
食性 | 肉食 |
生息時期 | 三畳紀後期 |
下分類・種名 | Coelophysis bauri Coelophysis longicollis Coelophysis williston |
論文記載年 | 1889 |
属名の記載論文 | On a new genus of Triassic Dinosauria. The American Naturalist. 23. by Cope, E.D. 1889. |
特徴
コエロフィシスは、三畳紀後期(約2億1000万年前)に出現した初期恐竜の一種です。
体長約2.5m、体重15-30kgほどでした。
アメリカ・ニューメキシコ州で、数100体の骨格化石が見つかっています。 首は長く、早く走るために骨に空洞が出来ていました。
コエロフィシスの前足(手)の指は4本でした。そのうち1本は小さく、機能していない状態だったようです。
獣脚類は 進化するにつれて 指の数を減らしていく傾向があります(*1)。 4本指から3本指への進化の過程だったかも知れません。
(*1)単純に時期と、獣脚類の指の数の推移を見てみると、進化に伴って数が減っていったことが分かります。
最古に近い恐竜エオラプトルの前足指は5本ありました。
コエロフィシスは指が4本、
ジュラ紀中期のケラトサウルスも4本、
ジュラ紀後期のアロサウルスは3本、
白亜紀後期のティラノサウルスは2本指となっていきます。
コエロフィシスの生態
コエロフィシスは群れで行動して、集団で狩りを行ったと考えられています。 体重を軽減する中空の骨をもって30kgに満たないほど軽く、長い脚で素早く行動できました(歩幅は75cmと推定されています)。
かつて「お腹に子供のものと考えられた化石が残っていたこと」から共食い説がありましたが、 のちに腹部に残っていた化石はワニのものであることがわかり、共食い説は否定されました。昆虫や爬虫類を捕食していたようです。
発見と論文記載
1887年エドワード・コープ(Edward Drinker Cope)は、アメリカ・ニューメキシコ州北西部Chinle Formationでアマチュアの化石収集家によって発見された標本を、コエルルス(Coelurus)属の一種として同定しました。 コエルルス(Coelurus)は、ボーンウォーズで知られる競争相手チャールズ・マーシュ(Othniel Charles Marsh)によって1879年に記載された属でした(当時、マーシュはコエルルスを恐竜とは考えていなかったようです)。 当時敵意に満ちた相手マーシュが記載した属にもかかわらず、コープはこの標本をコエルルス(Coelurus)の一種に含めました。
しかし、コープは更なる調査を続け、脊椎(背骨)にコエルルス(Coelurus)との差異が認められることを確認します。 2年後1889年に新属コエロフィシス(Coelophysis)を設け、自身が同定していた標本を記載・分類し直します。