恐竜は何を食べた
お勉強 / 恐竜のしっぽ
恐竜の食性
恐竜も属・種によって、食べていたものは異なっています。
以下のように分類されます。
- 葉、草や枝、木の実を食べる、植物食恐竜
- 動物の肉や魚・昆虫を食べる、肉食恐竜(魚食恐竜も含む)
- 昆虫や木の実など両方を食べる、雑食恐竜
食べていたものは、歯の形や爪などによって推定されます。
植物食恐竜
ディプロドクスなどの[竜脚形類]、イグアノドンなどの[鳥脚類]、トリケラトプスなどの[周飾頭類]、 ステゴサウルスなどの[装盾類]は、すべて植物食恐竜です。
三畳紀・ジュラ紀まで陸上に生えていた植物は、シダ植物と針葉樹などの裸子植物でした。
裸子植物は栄養価が低く、大きな身体を維持するためには大量に摂取する必要があります。
特に ジュラ紀に大型化したブラキオサウルスやアパトサウルスなどの竜脚類は、食べることに多くの時間を費やしていました。
消化が悪く栄養価の低い植物を多く摂取するために胃を大きくする必要があり、胃を大きくするために胴体を大きくして、
その大きくなった身体を維持するために更に多くの植物を摂取する必要があったのです。
竜脚形類の胃の辺りには、彼らが飲み込んだ大量の石が見つかります。 口の中で植物を磨り潰すのではなく、すぐに飲み込んでお腹の中の石が植物の消化を助けたと考えられ、これを胃石と呼んでいます。
白亜紀に入ると植物食恐竜たちに朗報(良い知らせ)が訪れます。
より栄養価の高い被子植物が登場しました。実をつけるこの植物は効率よく栄養を与えてくれます。
栄養価の高い植物の出現は、角竜等の周飾頭類やカモノハシ竜等の鳥脚類の成長・繁栄に貢献しました。
2017年、(植物食である)鳥脚類-ハドロサウルス類のものと考えられる糞の化石に、腐った木の破片と共に甲殻類(エビなどの仲間)の殻の破片が含まれていることがわかりました。
21km離れた場所で発掘された10個以上の糞化石から同様に甲殻類の殻とみられる破片が確認されることから、
誤って甲殻類を口にしたのではなく、ハドロサウルス類が主食を植物にしながらも意図的に微量の甲殻類も食べていたものと推測されています。
肉食恐竜
今まで見つかっている肉食恐竜は全て、[獣脚類]です。
(獣脚類の一部には、雑食性と思われる種が交じっています。近年、植物食の獣脚類も発見されました)
三畳紀の肉食恐竜たちは身体も小さく、主に昆虫や哺乳類型爬虫類を食べていたものが多いようです。
それがジュラ紀になり、大型化に伴い植物食恐竜を狙うものが出現しました。群れで、自分よりも大きな獲物を狙った形跡が残っている恐竜もいます。
雑食恐竜
獣脚類の一部には、堅いクチバシは持つものの歯の無い恐竜がいます。
オビラプトル(オヴィラプトル)やガリミムスなどです。
彼らは、卵や昆虫の他 植物も食べていたと考えられています。
食性についての議論
2010年、「獣脚類 - テタヌラ類 - コエルロサウルス類の多くは、植物食であった」とする研究成果が米シカゴ・フィールド博物館の研究チームから提出されました。
テタヌラ類 - コエルロサウルス類の中には、ティラノサウルス、デイノニクスやヴェロキラプトル等 明らかに肉食であった属や雑食と考えられる属も含まれていますが、 研究チームは「このグループの中の"肉食"はむしろ例外的かも知れない」とコメントしています。