謎に包まれた恐竜 デイノケイルスの正体が判明
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デイノケイルスの謎
1965年にポーランドの科学者が、モンゴルのゴビ砂漠南部で鋭い爪のついた長さ約2.4メートルの腕化石を発掘しました。 「恐ろしい手」=デイノケイルス(Deinocheirus)"と名づけられます。
それ以降、頭骨、脚部や胴体などの化石は発見されず、謎の多い恐竜として更なる発見が待たれていました。
ティラノサウルスなどの代表的な獣脚類と比べて2倍の腕の長さをもつことから、「ティラノサウルスをはるかに凌ぐ超大型の肉食恐竜」と推測されたこともあります。
デイノケイルスの発見と返還
11カ国で構成された研究チームは2006年から2010年までモンゴル・ゴビ砂漠で恐竜発掘調査を行い、デイノケイルスの腕や胴体部分などの化石を発見しました。
しかし残念なことに、頭骨と脚の部位は 既に盗掘によって持ち去られていました。
思わぬところから朗報が入ります。
ベルギーの古生物学者から、「日本を経由してベルギーの化石収集家が持つ頭骨が、盗掘されたデイノケイルスのもののようだ」ということでした。
韓国地質博物館長が交渉を行い、2014年5月に化石がモンゴル政府に返還されたことによってデイノケイルスの全貌が明らかになりました。
デイノケイルスの正体
デイノケイルスは、全長11メートル、体重6.4トンの獣脚類。 背中には帆があり、足の構造からゆっくり歩く巨体であったことが分かりました。
胃の辺りからは、植物食動物の特徴である胃石と併せて 消化途中の魚やウロコの化石が見つかっています。 デイノケイルスは雑食性だったようです。