2005年の恐竜ニュース
哺乳類に食べられていた、小型恐竜 発見
2005-01-28
中国遼寧省の白亜紀前期の地層から、2種の哺乳類の化石が発見されました。
ロブストス(全長推定:約60cm)の化石の胃部に、初期の角竜プシッタコサウルスの子供の骨と歯が見つかったのです。
「肉食の哺乳類が、小型の恐竜を食していた」ことを示す発見です。
もう1種の哺乳類は新種の発見となりました。全長1m以上あります。
こちらの歯も肉食の特徴を備えており、「体格の大きさ等から、小型の恐竜にとって脅威となった可能性がある」と指摘しています。
ジュラ紀の羽毛恐竜の化石、中国北部で発見
2005-02-28
中国北部-内モンゴル自治区のジュラ紀中~後期(約1億8000万年~1億4500万年)の地層から、羽毛恐竜の化石が発見されました。
この発見が貴重なのは、ジュラ紀の地層から発見されたことです。
今まで発見されていた中国の羽毛恐竜は、いずれも白亜紀の地層から発見されたものでした。
最古の鳥類と考えられている[始祖鳥]よりも古い羽毛恐竜が見つかったのは、今回が初めてとなったのです。
見つかった化石は脚の甲や指の部分ですが、長さ5cmほどの羽毛が生えていました。
発見された恐竜は鳥類に近く、始祖鳥の祖先である可能性が高いそうです。
「アジアで、恐竜から鳥に進化した可能性」を示す重要な発見です。
恐竜の血管組織の取り出しに成功
2005-03-25
アメリカ・ノースカロライナ州立大学などの研究チームは、モンタナ州の砂岩層で発見された約7000万年前のティラノサウルスの化石から、完全に石化していない[血管組織]を取り出すのに成功しました。
血管は網目状に広がり、水分を含ませた状態では軟らかかった。
伸縮性のある、恐竜の組織が見つかったのは初めてのことです。
この組織は大腿骨部分が採取され、現生のダチョウの血管に似ているそうです。
ただし、2009年には「この軟組織はバクテリアの粘液が変化したものでは」との疑惑も。
一度に2個の卵を産む、オヴィラプトルの仲間
2005-05-28
中国南部の白亜紀後期の地層から、産卵直前の骨盤部分の化石が見つかりました。
2個の卵が並んでおり、化石はオヴィラプトルの仲間のものと見られています。
見つかった卵は2つだけで「同じくらいの成熟度であった」と考えられ、同種は「2つの卵を同時に産んでいた」可能性が高いとしています。
ステゴサウルスの背中の板、役割に新説
2005-05-30
大きな背中の板で有名なステゴサウルス。
この板の役割について「体温調節」が通説とされています。
アメリカ・カリフォルニア大学などの国際研究チームは
「板の構造を調査した結果、体温調節や防御の役には立たず、仲間を見分ける役割しか得られなかった」とする説を唱えました。